なぎさ便り
楽恵


てのひらに乗るくらい
小さな桃色の巻貝だけ
あなたに送ったのは
あなたがくれたお手紙が
あまりに優しすぎて
どうご返事してよいのか、思いつかなかったから


その貝は、私が小学生の頃に行った海の遠足で
偶然ひろった浜辺の巻貝です


その貝のくちをあなたの耳にそっとあててみてください
波の音が聞こえてきます


じっと耳をすませて



ハロー、私の声が聞こえますか?




自由詩 なぎさ便り Copyright 楽恵 2010-02-01 07:11:16
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