放課後パーク
山中 烏流
つんざくような光と
足元で跳ねた、空き缶
そして
それを蹴飛ばす右足に
どこまでも閉鎖された、素肌の話
黒板の隅の方
珍しい雲の落書き
カーテンのたなびきより他に
存在が許されないそこは
私の足音のせいで
その視線を
こちらへと向けてしまう
傾いた光の教室/乱反射の毛先
光る、ほどける髪の束を
私は
確かに何かへと例えた筈で
気付いたとき
それは、思考のまま
どこかへ流れていってしまって
もう、戻らなかった
チョークの粉に塗れたまま
帰路を外れた歩道
知った場所ばかりになったことを
幸福というのは、誤りだと知る
ひとりで歩ける道の、その安全に
言葉を忘れていく足元
影が落ちていく横で
お気に入りのコーヒーを
ボタン一つで手に入れる、妥協
高台のベンチ
誰かを真似た、缶コーヒー
ひとりきりで橙/木の上からの内緒
勢いで投げた紙飛行機
落ちる、
空き缶の音
捻りすぎた水飲み場/笑い声
シャッター音
シャッター音
シャッター音
大きめのTシャツと
その中に住む鳥の想像
そして
終わりを謳う、混ざり合った空
木屑の上で横たわる体の
しかし、触れることはない肌に
何かを思いついて
それから
忘れてしまった
どこまでも閉鎖された
私の話