放課後パーク
山中 烏流





つんざくような光と
足元で跳ねた、空き缶
そして
それを蹴飛ばす右足に

どこまでも閉鎖された、素肌の話



黒板の隅の方
珍しい雲の落書き

カーテンのたなびきより他に
存在が許されないそこは
私の足音のせいで
その視線を
こちらへと向けてしまう


傾いた光の教室/乱反射の毛先


光る、ほどける髪の束を
私は
確かに何かへと例えた筈で
気付いたとき
それは、思考のまま
どこかへ流れていってしまって
もう、戻らなかった



チョークの粉に塗れたまま
帰路を外れた歩道

知った場所ばかりになったことを
幸福というのは、誤りだと知る


ひとりで歩ける道の、その安全に
言葉を忘れていく足元

影が落ちていく横で
お気に入りのコーヒーを
ボタン一つで手に入れる、妥協




高台のベンチ
誰かを真似た、缶コーヒー

ひとりきりで橙/木の上からの内緒

勢いで投げた紙飛行機
落ちる、
空き缶の音

捻りすぎた水飲み場/笑い声

シャッター音
シャッター音
シャッター音





大きめのTシャツと
その中に住む鳥の想像
そして
終わりを謳う、混ざり合った空

木屑の上で横たわる体の
しかし、触れることはない肌に
何かを思いついて
それから
忘れてしまった





どこまでも閉鎖された

私の話






自由詩 放課後パーク Copyright 山中 烏流 2010-01-31 04:02:31
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