都会の冬に埋もれて

こんなに寒い日は君との距離を痛感する
ほんの数センチの立ち位置から生ずる隙間が遠すぎて

言葉を失う前に何かできる事はないかと
必死に君の目をみてそっと近づいたら
君の体温はむしろ少し痛くて
その時の街頭の無機質さといったらなかった

増設するハイウェイ
そのふもとで自分の足元ばかり見ていた
気に入って買ったのに汚い靴だと思った
何に期待をしているのだろう
これ以上求めたって仕方がないのに

帰路に就く頃
やりばのない虚しさが
いつもの駅の改札あたりに居た

街はどんどん変わって綺麗になるのに
今の僕にこの街は不便すぎる
凍える程の寒空に星は見えず
ああ、死んでいくこの想いが


自由詩 都会の冬に埋もれて Copyright  2010-01-31 01:37:30
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