ごはんつぶののり
朧月

流した涙の数だけ 強くなれるなんて

うそです
うそです

苦しんだ後は救われるなんて

うそです
うそです

努力で得られないものは
備わっていないものは

泣いても
泣いても

もつことなんてできないのです

ああ
おかあさんがなぜ泣いたかを
知ったってもう遅い

ああ
お父さんが怒ったわけを
理解したってもう遅い

家族は
それだけで分かり合えるなんてだれが言った

繋ぎあう手 触れるカラダ は
全てをなんて 伝えない

あなたが よそってくれた ごはんを
黙って食べてごめんなさい
ひじを ついたことだけでなく
黙っていたことも 叱って欲しかったなんて

ああ
今さらでしょうか

夢と夢の間の
ほんの隙間でいいから
それぞれの 想いを
ごはんつぶで ひっつけられないでしょうか

そんなことを
おばあちゃんが やっていた
あの 深いしわのある
手を思い出しているのです





自由詩 ごはんつぶののり Copyright 朧月 2010-01-28 23:28:52
notebook Home