なき

パステルブルーのまあるいボールが目の前を
ぼんっ
と跳ねてった

あなたが待っているのがボールの向こうに見えたけれど
私はボールを追いかけた
追いかけた

ぼんぼんボールは跳ねていく

夢中になって追いかけて
私は私を忘れてく

こんにちは

パステルブルーのボールの色が
地面にぼんぼんくっついた
パステルブルーと砂利の交じった
私の靴の裏の溝

じっと覗き込んだとき
小さな蟻が潰れてた

いつの間に
辺りはすっかりパステルブルー

パステルブルー

迷ったボールは空高く
舞い上がる
舞い上がる

私の上に落ちてくる
押し潰された


さようなら
私はじっと覗き込む




自由詩Copyright なき 2010-01-28 09:35:30
notebook Home