よわいほね
佐藤真夏

机の引き出しのなか
右の白い封筒には
レポート用紙が五枚
三つ折りでたたみ込まれていて
真ん中の一枚が
初夏の居間、
線香の香りのように
鼻の奥に
ひびき
ねじれて
横たわっているから
この六畳一間で
毎晩彼を抱きたいのです
煙がひとすじ ほどけるように


自由詩 よわいほね Copyright 佐藤真夏 2010-01-28 01:07:45
notebook Home 戻る