シスター、魔女たち

「黒い森を、見知らぬ男と女が逃げています。あれたちは、城下の者ではありません」

月光の影（シルエットだけ）


呪われし王の姿、針の雨嵐吹き荒れる棘丘に現す


一同　「予言のままに」


城を境に、東も西も荒野です


魔女たち（雨に打たれながらも、動かず）
　　　　　　　　　　　　　　　　　
　奇麗ハ汚イ　汚イ　ハ　キレイ


走り去る二身。
森に住む羽根のものは、全て奴らを追いかけよ


「星を動かすことができます」


おお、運命を変えようとしている者がいます、恐ろしいこと！
女の股から生まれたくせに！

黙れ、魔女ども。呪いともいうし、占星術師は宿命とも呼ぶ。

我は狩人の獲物ではない、王なのだ。獅子である。




じっと見ています、星ガ




夫人

夜はまだ始まったばかり、必ず追いつけましょう。
星は落ちません。血も落ちません。見てください、あなた。月光の影だけ、黒い森に落ちています。

　
　（塔にて寄り添う王と夫人）


星ぼしを消す月光の影だけ、今や地上に残される。