戦慄
yumejiki
暗黙に覆われた憂きの日に
肌つきささりし 蟻走の如き責苦に耐えかね
赤の屍衣を身につけ 細く白くか弱きものに現化す
哀れ 夢か現か されど惑わらん 惑わらん
かつての現の未練 果たされぬ想い 忘れることなし
美の臭気に誘われ ひさかたの春を堪能せど
屈んでみれば爪先の哀愁 業火の如き想い蘇りけり
逢うか逢わずか 果たすか果たさぬか 躊躇えど
いにしへからの貫徹の練 霞になりて消えることはなし
世に身を委ね 川流の如く趣くままに闊歩せば
現の羊の想い人の元に 迷わず到着せり
貴方変わらず蝶の如く酩酊し 儚き想い刹那に払拭す
臭気のありき花は美しきと思せど 臭気の無き花は寂しきことかな
美に執着せど 生血は止まることなきて 流れし 哀れとは思せど
業を思い起こし 更に赤きものに苛ませること決意す
貴方を写し 一時の甘美を与え 肌と写し紙ひとつになりけり
現の醜き人参れど 熟した赤の産物と共に弾け 現のものもう参ることはなし
哀れ 悲しき終焉の時 四季の移り変わりの如く早きものかな
かの地に貴方と参り 再び春の美を堪能す
やおら花は散りて 枯れきものと混じりて 醜きものとなりけり
美に溺れる貴方 瞬間の美と思し 桜の花の如きものなり
歌と共に踊り 狂いし 笑いて
羊の人のかの想い 果実の如く弾け 踊ること 使命と思す
やがて終焉迎え いにしへの想い人 羊毛になりて 貴方 桜の花となりけり
溢る涙 想いと共に 塊になりて 流れ 土に響きし静音かな
憂き想い叶え ただ永遠に見守ること使命と思す
ただ 永遠に見守ること使命と思す
ただ 永遠に見守ること使命と思す