航海士
窓枠
空っぽだったボトルビン
今はゴミ捨て場のホームレス
生まれ変わるまでの
待合所なのだ、と
顔を曇らせたまま 転がっている
緑黄色の足は
海水に浸りすぎたせいか
ふやけていそうで
傷だらけの姿はどこか
誇らしげ のよう
海の果ての
わたしも知らない
誰かは今も 満たされて
いるのだろうね
さて、ビールでも買って帰ろうか
日陰にきらり、と
瞬く 口元に映った
誰かの愛 と
/ 明日の夢
自由詩
航海士
Copyright
窓枠
2010-01-23 23:50:25