音が運ぶ朝
朧月

家族の朝は
音をころしてひそやかに訪れている

踏みしめる階段をあがる足
そうろりとさぐる一段いちだんを
寝息に重ねておりる足

みながみなの
寝るという作業を脅かさぬように
無事に今日にたどり着くように
祈りながら 願いながら
起床のリズムになっている

無遠慮にほうりこまれた新聞は
一滴の露のように
自然に朝の音として生きている
はいってくる

それを合図に
いっせいに音がはじまる
そんな朝に
平和な居心地の毎日があることに感謝する



自由詩 音が運ぶ朝 Copyright 朧月 2010-01-19 08:48:50
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