低体温
朧月

明日の光が見えぬから
今日は息ができるのです
明日の仕事を知らぬから
今は休める羽なのです

凍るよな空気に震えつつ
温度を上げないのは
死んでしまうからです
希望の言葉たちが

約束したから生きるのです
あなたが守るから
歩くんです

今日をちゃんと終えたからこそ
告白できるのです
明日がこないでほしいと

一日は なにげに過ぎるのではなく
懸命な一歩がつらなり
すすんでゆくものなのです

その足跡が わずかなものであっても
歩いたという事実が
私の今の低い熱になっている

だから どんなに凍るよな空気でも
ふるえてても
見えない明日におそれながら
この羽 休めるのです



自由詩 低体温 Copyright 朧月 2010-01-17 22:24:52
notebook Home