三角点
鵜飼千代子




手のひらを重ねるたびに
わだかまりが解けて行く
すでに基底された過去と
咀嚼仕切れぬ 含有物と
同じ手のかたちを持った
私たちは 逢わせる為に
分けて造られた者なのだ
言葉を心を 持ちよって
別々の道から辿り着いた
この小高い丘の三角点に
一つ印を付けて ともに
歩いて行こう 見失わな
いように固く手を繋いで



初出 FPOEM 1998.11.30.
詩集 ブルーウォーター 所収





自由詩 三角点 Copyright 鵜飼千代子 2010-01-17 21:48:05
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