神戸から思うこと
吉岡ペペロ

透明は無ではないのでしょうか

無というと暗闇のような気もしますが

無よりも無なのが透明なのではないでしょうか

透明とは無をも包む存在に思えるのです

最愛を失ったこの胸の穴ぼこが

無に、暗闇に、満たされようとしていても

それがかならず次に転化してゆく

転化してゆくことをどこかで信じてゆければ

無や、暗闇は、

無よりも無な透明に包まれる

これがどのような喪失にも

ひとが生きてこれた理由だと思うのです



2010年1月17日 神戸から


自由詩 神戸から思うこと Copyright 吉岡ペペロ 2010-01-17 15:02:59
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