better half
まさたか


からだのそこかしこに
あなたの吐息が残っているの
触れた指先をまだ
思い出すことができるのよ
いつのまにか
心まで繋がってしまったのね
あなたは私のbetter half
小鳥だって
片羽をもがれたら飛べないでしょう
ましてや心を半分もがれたら
私は壊れてしまうでしょう

あなたの抱える病気のことを
教えてもらった時はそりゃあ泣いたわ
あなただって迷っていた
病を持つ自分が一緒にいることが間違っていやしないかなんて
優しい人ね
だから
二人でたくさん考えて
二人でたくさん確かめ合って
私たちはゆっくりと混じり合ってきたの

あまり遠出ができなくなって
旅の好きなあなたはどれほど悲しいでしょう
食べることも飲むこともできなくなって
あなたはどれだけつらいでしょう
体の痛みを薬で抑えて
命の目盛りを数える日々は
あなたをどれほど苦しめるでしょうか

それでも私は
それでも私は
あなたに生きてもらいたい
あなたの呼吸も
あなたの鼓動も
あなたの笑顔も
あなたの声も
温かな手のひらも
丸まった背中も
優しさも悲しさも可笑しさもつらさも愛しさも苦しさも
ぜんぶ
ぜんぶぜんぶぜんぶ
失いたくない



あなたは私のbetter half
あなたのいない世界では
私はきっと生きてゆけない




自由詩 better half Copyright まさたか 2010-01-16 23:35:33
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