アトム
umineko

祈る、という作業を
私は避けている
たとえば

あなたの幸せを
祈る
そのとき 
私は無力で
ただの石ころ
捨てられたガム

「君を想うと 
 やわらかな 気持ちになれるんだ」って
そんなこと

私の無力が
際立つだけだ


だけど
今夜私は祈る
私自身の寂しさは
もう どうだっていいことで

アトム
あなたがロケットで
星に向かって飛ぶように

私の命を
あなたにあげる
私の声を
あなたにあげる

祈る
私は夜の孤独に
溺れそうになりながら

祈る
あなたの両指に
幸多かれと
あらん限りに
 
 
 



自由詩 アトム Copyright umineko 2010-01-16 21:32:19
notebook Home