過ちの街角
朧月
ぱたぱたぱた と
歩いていたらスリッパが脱げました
おちたスリッパは星になりました
たくさんの人がここでつまづきます
そうっと歩いていたのにぶつかりました
ここは世界の端っこです
だれもがここまできてしまいます
信頼できずにうつむいた
手をつないでいたのにはぐれてしまった
そんな想いのする街角です
いろんな愛といろんな憎しみが
まざりあってできたマーブル模様が
渦巻いて ひょおうと うなるそんな信号待ち
なぜだか人々は 恐れない顔で
ふわふわと いったりきたりしているのです
まるで 故郷にかえったような
そんなゆるんだ表情で
のたり のたりと 徘徊し
やがて
ぱたぱたぱた と そおろりと
元の世界にかえってゆくのでした