墜落
楽恵
他人に銃口を向けられることと
自分で自分に銃口を向けること
どちらの方が気が楽なのか
私にはまだ分からない
今分かるのはどちらにせよ
あの鳥をこの銃で撃ち落さなくてはいけないということだ
いつも
自分で自分を殺すことで冷たい屍になった自分を乗り越えてきた
他人に殺されたことも何度かあった
もしかしたら他人に殺される方がいくぶんか楽なのかもしれない
予知夢を見た
近々私は死ななくてはならないだろうとずっと感じていた
死ぬのはやはり嫌だった
私は最近の私を気に入っていたから
私は逃げる鳥になった
だがその鳥を
今日こそは撃ち落さなければならい
もう時間はない
これは運命だ
いつもそうやって
自分の屍を自分で乗り越えて生きてきた
明日を生きるために
今日はあの鳥を撃ち殺さなければならない
もう時間がない
他人に銃口を向けられることと
自分で自分に銃口を向けること
どちらの方が気が楽なのか
私にはまだ分からない
今分かるのはどちらにせよ
あの鳥を今日は撃ち落とさなくてはいけないということだ