墜落
楽恵


他人に銃口を向けられることと
自分で自分に銃口を向けること

どちらの方が気が楽なのか
私にはまだ分からない


今分かるのはどちらにせよ
あの鳥をこの銃で撃ち落さなくてはいけないということだ
いつも
自分で自分を殺すことで冷たい屍になった自分を乗り越えてきた

他人に殺されたことも何度かあった
もしかしたら他人に殺される方がいくぶんか楽なのかもしれない

予知夢を見た
近々私は死ななくてはならないだろうとずっと感じていた
死ぬのはやはり嫌だった
私は最近の私を気に入っていたから
私は逃げる鳥になった

だがその鳥を
今日こそは撃ち落さなければならい
もう時間はない
これは運命だ
いつもそうやって
自分の屍を自分で乗り越えて生きてきた
明日を生きるために
今日はあの鳥を撃ち殺さなければならない
もう時間がない


他人に銃口を向けられることと
自分で自分に銃口を向けること

どちらの方が気が楽なのか
私にはまだ分からない

今分かるのはどちらにせよ
あの鳥を今日は撃ち落とさなくてはいけないということだ



自由詩 墜落 Copyright 楽恵 2010-01-15 21:32:23
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