大きな木
朧月

生れ落ちたから
生きてきたんだよ
そこが海だったら
泳いでいたはずだよ

生まれた場所がそこだっただけ
幸せってことがみんなとちがっただけ

親に期待をしなくなったのは
家族に夢をもたなくなったのは
つらかったからじゃない
いつからか
そんなもんじゃないと
わかったから

他人って言葉をいやっていうほど
わかる機会が多かったけど
そんなことだれだっていつかは
わかるんだろう特別に思わないよ

ぎくしゃくした会話が
普通になってどれぐらいかな
がたがたいう自転車だってこいでいれば
前に進むんだ わかってるんだ

海でも山でも 村だって
生まれた場所なら生きられる
どれだけくすんで見えたって
生きることには困らない

木があるんだ
大きな木が生えている
だから 私も大きくなるんだよ

生きて 生きて 生きていれば
大きな木になれる
そう思う



自由詩 大きな木 Copyright 朧月 2010-01-15 21:03:30
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