生命の森
朧月

どこまでも行くんではないですか?
そんな囁きがきこえそうな
森ではいつも会議が行われています
人類について
世界について

生命が
生まれては飛び立ってゆく
後ろも向かず
こんこんと今日も泉は湧いている

木漏れ日とは
木と木の間から差し込む光り
ああ
そんな当たり前な光景を知っていますか

汚れてしまった
そんな泣き顔のまま逃げ込んだ森
祖父母の時代から変わらぬ木と
崩れてしまった層


は 立ちふさぐ
通しはせぬというような
それを よじ登ってとりついて
がくがくと 足 震わせながら
息を弾ませながら

たどり着いた
山頂
見よ
海が見える
あれは 隣の県だという

会議は続けられている
どこまでも行くんではないですか?
そう決定づけられている

私は ここから生まれた
そう決める
森は
山は
なにも言わず木漏れ日は優しく


自由詩 生命の森 Copyright 朧月 2010-01-13 10:35:39
notebook Home