冬の印象(小さな祝祭の)
六崎杏介

あの、
アルビノの
冬の御空の
アルコホルは
暗き手椀に
満ちて香ります

また、
鉄による
シロツメクサの
賛美歌は
キリキリ宙に
足を揃えます

また、
蒼褪めた
コンクリートに
踊るのは
枯れたポプラの
鏡文字です

また、
エアゾルの
粒子の沈んだ
氷点の
架したる月に
フラワ零れます

そうして、
わたくしは冬の
こう云った事象を
殊に愛おしく思うのです。


短歌 冬の印象(小さな祝祭の) Copyright 六崎杏介 2010-01-13 09:23:28
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