さよならする夜
あぐり



「さみしい」と言ったらわたしは何円で 買われるんだろ、さみしい、さみしい。


深呼吸、溺れてしまう、はやくほしい。 そのぬくもりに名前はないよ。


カプチーノみたいなキスをするときは あなたの睫毛を数えているの


ねだるのは蜂蜜の汗、まみれてる 旅の終わりのようなシエスタ


腰骨をさすりながら浮かぶのは いつかあなたとさよならする夜


四ヶ月前から癖になったこと 「シングルベッドの右隅で寝る」


あの人の匂いをわたしにくれるなら 他人のきみを愛してもいい





短歌 さよならする夜 Copyright あぐり 2010-01-12 23:20:55
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