無条件降伏
朧月

無条件に抱かれることが愛だなんて
知らなかったよ

なにかを果たせないと
たとえ子供でも
愛されないと思ってた

顔色を伺ってるって
こういうことを言うんだって
知らずに生きてたから
自分が 小さいなんて思わなかった

団欒って言葉を知ることもなく
一人で入るこたつは
電気の力で温かいだけで
部屋があったかいんじゃない

会話の無い家族だって
それが普通なら しがみつくんだよ
割れる音がしたって
耳をふさげば 眠れるんだよ

家族の絵はさまざま
希望の色もさまざま
間違ってるなんて言わないで

つくりだせそうもない
自分の絵は 歪んでゆきそうで
揺れる海の中みたいに
深海の温度で 変わればいいんだ

願いなんてないさ
ただ 生きていたいだけ
もう 割れる音は
ききたくない



自由詩 無条件降伏 Copyright 朧月 2010-01-12 21:27:00
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