命は吐き気がするほど柔らかく
くろね

大切に育てたモノは
誰にも見せられない
丁重に外を睨め上げて
時折祈るのは空が落ちること

暗く湿った風を蔑んで
耳に残るは静かな破裂

命は吐き気がするほど柔らかく
言葉は寒気がするほど空々しい


光の速度で発火が進み
誰にも止められない
強かに壁にぶつかって
時折見えるのは綺麗だった空

嗚咽混じりの風は虹色で
耳で踊るは静かな反射

命は吐き気がするほど柔らかく
言葉は怖気がするほど刺々しい


さよならは言えないから
少しでも長く覚めていたい

命は吐き気がするほど柔らかく
言葉は寒気がするほど空々しい


自由詩 命は吐き気がするほど柔らかく Copyright くろね 2010-01-12 00:51:43
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