命は吐き気がするほど柔らかく
くろね
大切に育てたモノは
誰にも見せられない
丁重に外を睨め上げて
時折祈るのは空が落ちること
暗く湿った風を蔑んで
耳に残るは静かな破裂
命は吐き気がするほど柔らかく
言葉は寒気がするほど空々しい
光の速度で発火が進み
誰にも止められない
強かに壁にぶつかって
時折見えるのは綺麗だった空
嗚咽混じりの風は虹色で
耳で踊るは静かな反射
命は吐き気がするほど柔らかく
言葉は怖気がするほど刺々しい
さよならは言えないから
少しでも長く覚めていたい
命は吐き気がするほど柔らかく
言葉は寒気がするほど空々しい