水面ゆらゆらー昌平橋ー
……とある蛙

神田の内外分ける橋
昌平橋の欄干から
覗く水面は神田川
ゆらゆら揺れる神田川

二人並んで水面を見つめ
僕は君につぶやいた
僕らはどこに行くのだろうか
君は何も答えずに
そのまま水面を見つめている

行き先分からぬ二人だが
このまま二人で歩きたい
だから二人でゆっくりと
その時感じた幸せに
そのまま歩く昌平坂

三〇年前の初夏の街
あの時一緒にいなければ
違った人生もあり得たが、
そんな思いはあきらめて
ゆらりゆらゆら歩いてく

お茶の水橋の欄干に
二人の昔の思い出が
少しくすんで張り付いて
水面が遠く霞んでいる。
二人で歩いた初夏の日の

悩みはすべて僕の責め




自由詩 水面ゆらゆらー昌平橋ー Copyright ……とある蛙 2010-01-11 21:36:43
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