哀歌
吉岡ペペロ

きみの傷を食べたい

手にとって口を汚し

きみの痛みと同苦したい

冬の帰り道

きみを拉致しにゆく

きみを殺しにゆく

ぼくらはちがう空の下を歩いている

月の満ち欠けは

いつも夏の夕方のようだ

長い夜を夢想させるのだ

きみの傷を食べたい

手にとって口を汚し

きみの痛みと同苦したい

冬の帰り道

きみを拉致しにゆく

きみを殺しにゆく


自由詩 哀歌 Copyright 吉岡ペペロ 2010-01-10 11:52:55
notebook Home