貴女の雫の溜まった沼
仁惰国堕絵師
貴女の雫の溜まった沼に
私の身体を投げ入れた
赤い月夜の酔う晩に
蒼い夜露に濡れる葦
貴女の雫の溜まった沼は
澄んだ水色 月明かり
藍より深く沈む我が身の
淡い心は宵の口
貴女の雫の溜まった沼が
何の道理で満ちるのか
金の草鞋を履いてさえ
知る由も無し 月に尋ねよか
貴女の雫の溜まった沼を
一滴残らず飲み干して
銀に輝く鯰の腹と
乾いた月夜を比べよか
私の雫と交わらば
また苦難の道始まるか
私の雫と交わらば
まだ至難の業続けるか
自由詩
貴女の雫の溜まった沼
Copyright
仁惰国堕絵師
2010-01-08 23:02:50