逃げる癖
朧月

なんかちょっと曖昧にしてたら男が逃げた
いいかげんにはっきりしてと言ったら母親が逃げた
みんなどっかへ逃げる癖があるんだろう

どうするつもりだっていうから私は逃げた
私だって逃げてもいいと思った
なのにどうして捕まっちゃうんだろう
私の足が遅いからだろう

海の中の小魚 大きな魚に食べられた
大きな魚は 船に捕まった
船は波にさらわれて泡みたいになったから
乗ってる人は人魚になったって

山にはえてるきのこには
心がないからけんかしない
となりのきのこより背が高くても
平気な顔で立っている

この世に落ち着いていられないから
どっかに逃げていきたいの
この背に羽がはえたなら
空に逃げていきたいの

逃げる癖は悪い癖
見えないものを探す癖
癖から逃げたほうがいい?
私は 私であっていい?



自由詩 逃げる癖 Copyright 朧月 2010-01-08 13:36:59
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