なまけものめ
uwyeda

そうだね私はちょっとなんでも受け入れすぎるのかもしれないね。良いことでも悪いことでも私はなんでも拒絶することなく受け入れてきて、それがよいことなんだと思っていたよ。でももしかしてそうじゃないのかな。私は何かを拒絶するべきだったんだろうか。何か私に悪いことが起きようとしているときに、それを受け入れずに死にものぐるいで否定して拒絶するべきだったんだろうか。

そうだね、そうだったのかも知れないね。もしそうしていたら、いろんな事が違っていたのかも知れないね。

受け入れることは、とても簡単でなんの努力も要らなくて、それでいていい人に見える行為だから好きだったよ。なにも考えずにただ私の所にきたものを認めるだけで世界はオールグリーンだったんだよ。

肥大したね。そう表現するのがいちばん正しいのかも知れない。私はとても肥大してしまった。例えばいま大きな地震がここを襲って、関東が一夜にして地獄絵図になってしまって私の家族も大事な人も生きているのかどうか分からなかったり死んでしまったりしても、私は割と簡単にそれを受け入れてしまいそうだ。私はいままでそれをとても賢いことだと思っていたけど、本当はズルをしているだけなのかも知れないね。

私は何が嫌なんだろう。何を拒絶すべきだったんだろうか。もう私は私以外の全てを受け入れてしまって、そんな自分自身だけがいつまでも受け入れられないよ。私はそれを拒絶してしまっていいんだろうか。受け入れられないものを、いまこそ否定して拒絶するべきなのかも知れないよ。

私の脳みそを切り取って、隅々まで探してみてみたい。私は一体何が大嫌いで、何を生理的に受け付けなくて、何を心の底から憎んでいるんだろうか。

嫌い、嫌い、嫌いだよ

賢しいふりをしていたけれど、私はこんなにも愚かだ。



さようなら私。せめて最後にあなたを憎もう。


自由詩 なまけものめ Copyright uwyeda 2010-01-07 02:51:33
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