夜逃げ
プテラノドン

散乱した部屋の中で
テーブルは孤島と化す。
一体どうしたものか?
無傷のまま空き瓶に貯めこまれていた
コインを眺めながら男は考える。
数年後、交通事故に巻き込まれ
ストレッチャーで運ばれていく最中
男は看護婦に聞いた。
「家主は手品師だと思う?それとも推理作家?」
しかし彼女は無言で血で染まったシャツを破るだけ。
当然だ。仕事中に話しかけるもんじゃない。
約束は無言で破くものだ。



自由詩 夜逃げ Copyright プテラノドン 2010-01-07 01:33:50
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