Dark Magus
木立 悟








沈む森空覆う森踏みつづけ隠れる陰なくさまよえる象




足跡のかたちに残る氷から時かき乱す水の手を知る




母を呼ぶ子を呼ぶ誰も居ぬ道の果ての果てより到きし緑




冬腔を冬がふさぐを視る度に冬の命を背負い込む我




立ち上がり雷を着て座り込み触れては触れぬ暗がりの我




右耳を右目を右手を右脚を切る前に問え魂の名を




暗がりの奥を揺らさぬ流れには華やかなるかな川岸の呪座




濡れ雪に棲む蟲の火は羽ばたいて積もらぬかたちを見つめつづける












短歌 Dark Magus Copyright 木立 悟 2010-01-06 23:40:50
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