降りゆくものは
あぐり




理由しか言ってくれない舌先に 角砂糖一つ乗せる雨の日


小さくて子猫よりもやらかくて 明日には消える初雪みたいで


五月雨の震えるような優しさは 今日よりも先、明日に欲しい


返しにくいメールをわざと打ってみる どちらが悪いわけでもないし


降る雪が石鹸玉を弾けさせ 見詰めるきみの瞳を曇らせ


おやすみの声さえ聞けない。雷を おなかにとじこめうつ伏せになる


飽和するあなたに向けた愛(かな)しさは 明日になっても降らへんのかな





短歌 降りゆくものは Copyright あぐり 2010-01-06 20:10:01
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