雪のしっぽ
砂木

にょろにょろは横になる
どうして立っていないの
小さなおててで持ち上げちゃったら
にょっ
雪のしっぽは切れちゃいました
あらら ねえねえ
横になっててもいいんじゃないの
恐竜のしっぽって えっ これ恐竜なの
雪だるまの恐竜だもん
そんなのいないよ
いるもん
だって恐竜は寒くなっていなくなったのに
雪の恐竜なんているわけないもん
いるもん 雪の恐竜だけ生き残ったんだもん
・・・しっぽなくてもいいんじゃないの
しっぽつけないとただの雪だるまだもん
つららのしっぽにするとか
おしりがいたくて雪だるまがかわいそう
えっ 恐竜じゃないの
・・・
ねえねえ まるいしっぽにしようか
いやー にょろにょろのしっぽがいいんだもん
竜神様みたいのがいいんだもん
竜神様は空を飛ぶからにょろにょろなんだよ
歩いたらずるずるじゃないの
歩かないからいいもん
恐竜は歩くよ
雪だるまの恐竜は歩かないからにょろにょろ
じゃあさあ みんなでしっぽになろうよ
みんなでって
おててをつないでね 後ろに並んでね
はい 飛んではねて ほら にょろにょろ
ほんとだ 竜神様のしっぽみたい
でも足があるから麒麟様だったりして
ねえでも みんながいなくなったら
ただの雪だるまみたいだね 
じゃあ 恐竜はぼくたちだ しっぽ合体
ちょっと寒くなってきちゃった おやつにしようよ
そうだね じゃあ またあとでね
雪空の下 小さな雪だるまが転がっていった


自由詩 雪のしっぽ Copyright 砂木 2010-01-03 11:32:24
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