冬の日
オイタル

あごに手を触れると
地図のようにひげが生えていた
道に迷いそうだったので
ふとんから抜け出した

トイレのドアがパタリと閉じた
目を上げるとまた
パタリと閉じた
天井に三日月が掛かっていた

ぼくの人の形は
リフレインされる
幸せな夢の記憶も

廊下で物干し台が沈んでいた
「元気で」と声をかけたら
風が横目で過ぎていった


自由詩 冬の日 Copyright オイタル 2009-12-30 07:24:58
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