猫三昧
古月

ねんねんころりよ ねんねこよ
ぼうやよいこだ ねんねしな

おちおち山のやや猫は
何が悲しゅうて鳴いてやる
腹を空かせてひもじいと
おととが欲しくて鳴いてやる
腹は水ではふくれぬと
おかかがほしくて鳴いてやる

されどやや猫よく聞いてござれ
里にゃおとともおかかもあらぬ
骨も残さずお前が食うて
空の茶碗があるばかり
そんなにひもじきゃお前の腹に
たんと石こさ詰めてやる

ねんねんころりよ ねんねこよ
ぼうやよいこだ ねんねしな

かわい珠子は山へやれ
かわい姫子は川へやれ
八幡太郎はお宮へ上げて
けして猫にはとられるな


自由詩 猫三昧 Copyright 古月 2009-12-28 17:58:28
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