私のいるところ
りょう

ここに今
セミのヌケガラがあるからといって
私だと思わないでください
私はそれがないところにいます
陽ざしの中で
水の粉しぶきをあびた
綿毛の舞う先に
私はいます

私は
いま死んで
いま生まれています
だから
当たり前のように登る太陽
横断歩道を渡らないおばあさん
体をふるわせる詩を
この瞬間に捨てています
手放したハトが
戻ってくることを知りながら
生まれ直したときに
また出会えるように

天国や地獄ではなく
出会いこそが
私の今いるところなのです

雪の結晶を見たからといって
私だと思わないでください
結晶を集めて
私と言わないでください


自由詩 私のいるところ Copyright りょう 2009-12-27 11:24:03
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