親離れ
朧月

母は強い人だ
私は母から生まれたのに
なぜ強くないんだろう
なぜ母がすきになれないんだろう
母は私がすきなのかな
母は私を愛してるのだろう

いつか帰った部屋に母がいたことはなかった
母には母の目的があり
そこに私はいなかった
母はどこを目指していたのだろう
私はなぜはみ出ていたのだろう
目的を今だ果たしていない母は
簡単に協力を求めてくる

私は私の道をゆくのだろう
いつかは母を捨てるのだろう
いつか読んだ本のように
末期にごめんと言うのだろう

母は母でいていいと思う
なのに私は私でいていいのかわからない
私である前に娘だからか
娘である前に人間なのに

母を恨む時期が過ぎて
母に泣いた日々も過ぎて
母をながめる毎日に
想うことが多くなる

母を超えたいなどと思わない
母を捨てたいとも思っていない

なのに私には わかるのだ
いつか母を捨てることを
いつか母と別れることを



自由詩 親離れ Copyright 朧月 2009-12-23 23:35:51
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