犯罪者は夜手をつなぐ
吉岡ペペロ
防砂林ごしに轟音がしていた
飛行機の離発着のような音だった
愛人と犯罪を完遂したあと
手をつないで夜の海岸に出た
防砂林をぬけると
轟音の正体はやはり海だった
死ぬことは無念ではなかった
普段着のまま
ふたり並んで砂のうえに寝た
手をつないだまま夜を見上げると
無数の星が
これからゆく世界のもののようだった
防砂林ごしに轟音がしていた
飛行機の離発着のような音だった
愛人と犯罪を完遂したあと
手をつないで夜の海岸に出た
防砂林をぬけると
轟音の正体はやはり海だった
死ぬことは無念ではなかった