サンタさんとサンタさんの間で
北大路京介


クリスマスイブの夜、
京介くん(以下K)は部屋にひとり、ベットで、うとうと。
サンタクロースを待ちながら眠い眼をこする。
サンタさんが来るまで起きていたい、そんな子供。


ベランダ側からサンタA(以下A)登場

A:ジングルベー♪ じんぐるべー♪

−−ガチャ(ドアの開く音)

A:サンタさんだよ。

K:わー ホンモノ?

A:京介くん、いい子にしてたかな?

K:いい子にしてたよ

A:いい子にしてた京介くんには、プレゼントをあげよう!

K:やったー♪


ベランダ側からサンタB(以下B)登場

B:ハピ、ハピ、クリスマス♪ ハッピー、ハピ、クリスマス♪

−−ガチャ(ドアの開く音)

B:サンタさんやでー プレゼント持ってきたでー

A:誰だ、おまえは?!

K:さ、サンタさんが、ふたり!!


B:あっ おまえ、ニセサンタやな。

A:きみのほうこそ、ニセモノではないか。

B:京介くん、騙されたらアカン。 あぶないとこやったで。

A:なにをいうか。きみのほうこそ胡散臭いサンタもどきではないか!

B:京介くんは、どっちを信じるんや? おっちゃんのほうやろ?

A:いやいや、私のほうだよね?

K:うぅん、、、 はぁぁ・・・

A: 私は証拠を持っている。ほら、この手紙! 京介くんが書いてくれたものだよね?

B:そんな手紙まで偽造してるんか。最近のニセサンタは手がこんどるなぁ。こっちがホンモノの手紙や。

A:さすがに中身まではないだろう?

B:まさか、中身までコピーしてるのか?

A:コピーだと? きみのほうがコピーのくせに

B:京介くんが書いたんやったら、京介くんなら、どっちがホンモノかわかるやろ。 ほれ。

A:京介くんが書いたのは、こっちだよね。 はい。


K:どっちも。。。同じ。僕の字だし、僕の文章だし・・・ うぅ、、、 はぁぁ

B:ホンマ、あやしいやっちゃなぁ

A:きみのほうこそ

B:京介くん、どっちがホンモノやと思う?

K:わかんない



A:京介くんの欲しがってたプレゼントをあげよう。京介くんが大事なのは、こっちのはずだ。

B:ワシも持ってきとるわ

A:サンタよりもプレゼントが大事

B:悲しいけど事実。理解しとるわ

−−ガサゴソ(サンタAが白い袋からプレゼントを取り出す音)

A:ジャジャーん。『舞妓戦隊どすえファイブ』、全身可動レアフィギュア5体!

B:うちも5体揃ってるで。

−−ガサゴソ(サンタBが白い袋からプレゼントを取り出す音)

B:ババん! ギオンコウブ! ミヤガワチョウ! カミシチのケン! ポントチョウ! ギオンヒガシ!

K:おぉぅ 五人そろって、どすえファイブ!

B:それにプラスして、京都タワーの変形ロボットもつけよう!

K:わー すごーい! 

A:では、こちらもプラスして、京都駅ビル変形ロボを。

B:ははっ 京都タワーのほうがカッコエエもんね

A:え?  ダサいし。折れてしまえ。 駅ビルのほうがモダンでカッコいいよ。

B:センスのないやつめ。京都タワー変形ロボ、そして、そのうえ

−−ガサゴソ(サンタBが白い袋からプレゼントを取り出す音)

B:デデーん! 立命館大学学舎変形ロボセット!
  ほら、以学館が、こんなカッコえぇロボットになるんねんで

A:ふふふ、、、クリスマスといえば、キリストの誕生。キリスト教といえば同志社大学。

−−ガサゴソ(サンタAが白い袋からプレゼントを取り出す音)

A:こちらは、同志社変形ロボセットだ!
  ほら、寒梅館が、こんなオシャレロボットになるんだよぉ

K:わぁぁ なんてローカルなオモチャ。 どっちもステキ・・・ どっちも欲しい 

AとB:それは出来ない!

K:どっちのサンタさんからも貰っちゃダメ?

AとB:それは出来ない!

K:はぁぁ・・・ ん〜 あぁ んー

A:京介くんを悩ませてしまっている。心苦しい。

B:どうやら、ワシのほうが、一枚上手のようだな。
  まだ発売していない来年の戦隊モノのセットを今日は出したるでぇ

A:きみが出そうとしてるのは、これのことかな?

B:そ、そんなアホな・・・

−−ガサゴソ(サンタAが白い袋からプレゼントを取り出す音)

A:送り火戦士・五山レンジャー!

K:来年は、相撲レスラーみたいな重量級ヒーローなの?? 楽しみ♪

B:ちっ 攻めかたを変えるか。

−−ガサゴソ(サンタBが白い袋からプレゼントを取り出す音)

B:『陰陽師ライダー・変身ベルト』!

A:バカバカしい

B:これは、オモチャではない。ちゃんと変身できて式神も使えるようになる!

K:しきがみ?

B:強い鬼や美女、京介くんの好きなキャラが作り出せるんだよ。

A:くっ  そんな子供が手にするには、まだまだ早いものを・・・

B:いい子にしとったら、欲しいものが手に入るんや。なにも悪いことあらへん。


A:京介くん。 京介くんは、カオリちゃんのこと好きだよね。

K:うん。好きだけど。

A:空飛ぶトナカイとソリをあげよう。 呼べばすぐ飛んでくるから便利だよ。
  カオリちゃん誘って、上空からキレイな夜景を見下ろしたら・・・

K:ステキやね

A:ロマンチックなプレゼントでしょ。 こっちにしときなよ。

B:カオリちゃんは可愛いかもしれへんけどな、カオリちゃんより可愛い式神も呼び出せるんやで。
  だから、こっちを選んで、強い式神呼び出して、ニセモノサンタをぶっ飛ばしてやりーな。

A:なんて野蛮な。 京介くん、男の子は自分自身が強くならないとカッコ良くないぞ。
  とりあえず、指先からレーザー出せる力をあげるけど、万が一のときにしか使っちゃダメ。
  ためしに、そのニセサンタをレーザーで撃ち抜いてごらん。

K:えっ えぇっ  そんなの出来ないよ

AとB:出来る!

K:ふたりのサンタさんが戦って、勝ったほうがホンモノということに出来ないの?

AとB:それは出来ない!

A:京介くん、京介くんが信じてくれることが重要なんだよ。

B:京介くんのサンタを信じる力が、私を支えてくれるんだよ。

K:ん〜 どっちかを選ばないといけないの?

A:私がホンモノだよ。

B:ワシが、ほんまもんのサンタや。

A:京介くんが、私を選んでくれたら、特別に毎年 夏と冬と2回来るよ。

B:ワシなら春夏秋冬4回!

A:では、毎月!

B:毎週!

A:ふぅ、、、月水金!

B:平日毎日!

K:日替わり交代で毎日来てもらうわけにはいかないの?

AとB:それは出来ない!


A:京介くんに世界の半分をあげよう。

B:じゃぁ、ワシは、世界の80%をあげよう。

A:太陽を挟んだ向こう側に地球をもうひとつ作って、あげよう

B:京介くん専用の宇宙をあげよう。 好きなときにビックバン。

K:スケールが、どんどん大きくなってきてる・・・



−−ガチャ(ドアの開く音)


C:メリークリスマス!

AとBとK:誰?

C:サンタさんだけど

AとB:ニセサンタか?

C:ホンモノのサンタに向かって、失礼な!


K:みんなで仲良くクリスマスを過ごせないの?


AとBとC: それは出来ない!



自由詩 サンタさんとサンタさんの間で Copyright 北大路京介 2009-12-23 18:22:57
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