意気地
笠原 ちひろ

枷のひとつやふたつ
あったっていい


どうしようもないと
歯噛みして
ひっかいて
爪たてて

ひきちぎろうと
躯を震わせ
全身で
もがいてもがいて
逃れようとして

それでも
どうにもならなく、


(白く荒く)
(息切れして)



そんな
この世の枷の
ひとつ

ふたつ



…あったっていいよ


どうせなら
抱きしめて

笑って色香に変えてやるさ





自由詩 意気地 Copyright 笠原 ちひろ 2009-12-22 18:09:10
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