永遠
吉岡ペペロ
俺は愛人にロープを買ってこいと頼んだ
じぶんで買うのが恥ずかしかったからだ
いや、正確にいえば
恥ずかしさに耐えるストレスを回避しただけの話だ
愛人はコンドームとロープを買って
俺の部屋にやって来た
愛人の荷物や顔を見て愛おしくなった
二回目の夜だった
俺にはロープの使い方が分からなかった
手首なら
バスタオルで拘束するほうが良さそうだ
地に足のつかないSMだった
性的緊張だけが
ふたりをみじめにさせなかった
五木ひろしの契りを
あたまのなかで口ずさんでいた
肉体の契りは社会制度のそれよりも弱かった
剃毛やアナルセックスよりも
社会制度の方がはるかに強いのだ
あの夜のロープのことを思い浮かべると
あのときの俺が純情だったのが分かる
永遠というものの存在を信じていたのだと思う
俺がいま愛人に使う永遠は
あのころの永遠とおなじ意味ではない