月の無い空に踏み出した
僕らの星が降る
綺羅星よ、名も無い僕のカタルシス 溢れるきみの瞳を舐めれば
吐く息が溶けてきらめくこの町の 空を見上げるまなざしのおと
珈琲と毛布をかかえた僕たちは 鍵を棄てて夜空へ一歩
ささやきと水銀灯に沈む夜 愛して。僕ら眠れぬふたご
消えていく緑の光であやとりを すれば僕らの視線、からまる
頬も手も、唇も睫毛も星に冷え しゅらしゅら夢に流れて死にたい
眠れない今日はきみが抱いていて 褪せないくちづけ降れよ星たち
僕らはこの夜に
いったいどれだけの流れた星を見失ったのだろう
知らぬ間に燃え尽きたその
緑のきらめきを
どれだけ望んでももう抱けない
僕は今日までに
いったいどれだけの「あいしてる」を聞き逃したの
きみの胸の底で瞬いたその
まぶしいまぶしい未来に
生きて、生きて、溺れていたいよ
見つけられなかったふたご座を
愛せよ、そうしてこの夜に僕らは眠る
降り続く流星群を浴びながら
指先にひとつ
きみの温もりがほしい