初雪
小川 葉


一晩中
瞬き続けた星たちが
あんまり淋しいものだから
朝になると
雪になって降るんだよ

一日中
降り続けた雪たちが
母さん恋しいものだから
夜になると
星になって瞬くんだよ

はじめて
一人でできた時
遠ざかる
母さんの子守唄が
流れ星になって
瞼からこぼれるんだよ

淋しさと恋しさを
繰り返して
僕らは大人になるんだよ

君にはまだ
大人になんかなってほしくない
だから小さな手を握りしめ
寝顔を見つめているんだよ


自由詩 初雪 Copyright 小川 葉 2009-12-15 02:40:46
notebook Home 戻る