オートリバース
ジャイコ

中に溜まった水をあけてしまい
(それはそろそろ腐ってしまいそうだったから)
地面をひたひたにしてわたしは
(時々粘っては私の背筋を凍らせるのだけど)
足先でかき混ぜた泥を拭っては
(きっとあまい味がするんだろうそれは)
自らの顔に体に塗りつけていく
(なんて美しくない世界なんだろうここは)


あたし
きみを
見失ってから

いうもの
とっても
きみが
すきになった
みたいだよ

だっていまも
きみのこと
ばかり
かんがえて
いて
なみだが
とまら
ないんだ
まったく。


皮膚の奥の温度はきっと
あの日の君の体温と一緒で
ヒトの倍あった脈拍も
わたしの頬っぺた
覚えてしまった


汚泥にまみれたわたしの両手は
(なんて美しい世界なんだろうここは)
悲しい気持ちを拭い去れなくて
(君が見ていた記号の森で、)
嬉しい気持ちを伝えきれなくて
(少女はきっとえいえんを知った)
足先から忍び寄る気配に今日も
(君が捨てられなかったえいえん)
ただ震えることしかできなくて
(ねぇ結局、

えいえん、って、なに?)


そうだよ
わたし
今になって
今更だけど
ようやく
君のこと
少し
わかってきた

君のぶきっちょなところ
今になって
愛しくなっても
遅いのに

ねぇ
どうしてさ、
傷つけることしか
言えなかったのかなぁ

もっと
つたえなきゃいけないこと
いっぱい
あった
はずなのに



触れて
痺れて
痛くて
嬉しくて
愛しくて
切なくて

あたし

きみのこと

あいして
いました。




(ねぇ、

えいえんって、

どんなかんじ?

触れている

あなたには

それは

やさしいですか?)


自由詩 オートリバース Copyright ジャイコ 2009-12-15 00:23:06
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