クローゼット
未完

年末の大掃除に向かって
クローゼットを開けた

激動の一年を振り返り
ハンガーにかかったままの服を
どんどん投げ捨てる

こんなところにまで
思い出が詰まっていたなんて

いらないいらない
いらないいらない

いつのまにか溜め込んでいた
洋服なのか思いなのか

吐き出すように
断ち切るように

堰を切って出てきた自分を
止められずに終わりが来るのを
待った

いらないいらない
いらないいらない

いらないいらない
いらないいらない

気持ちが溢れ出した痕の
クローゼットはガラガラで

空っぽになっているかと思ったら
いくつかはちゃんと残していて

すべてを失くすことは
できない自分を知った

私はスッキリした顔をして
悪くないと笑っている


自由詩 クローゼット Copyright 未完 2009-12-13 20:12:10
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