渋滞の中で看板を見た
朧月
人がしぬってどういうことだろう
どこへゆくのだろう
明日にせまらない恐怖に
なぜ震えるのだろう
風の音にさえもびくりとぎこちなく
動くこのカラダを
君に支えてほしいよ
足波をそろえて歩けばこわくはないのかな
自転車道路の赤い線をはみだしながら
片側通行なのに向かってくる人の
目を真っ直ぐ見られないのは
なんのせいなの
赤く迫ってくる紅葉の葉っぱに
秋は終ることを知る
息は白くそれでも心の汚れを
清めはしない
生きるってことにもう少し
真剣になろうよ って
看板を横目で見て
走らせる自転車はまた通行の
邪魔をしている