渋滞の中で看板を見た
朧月

人がしぬってどういうことだろう
どこへゆくのだろう
明日にせまらない恐怖に
なぜ震えるのだろう

風の音にさえもびくりとぎこちなく
動くこのカラダを
君に支えてほしいよ

足波をそろえて歩けばこわくはないのかな

自転車道路の赤い線をはみだしながら
片側通行なのに向かってくる人の
目を真っ直ぐ見られないのは
なんのせいなの

赤く迫ってくる紅葉の葉っぱに
秋は終ることを知る
息は白くそれでも心の汚れを
清めはしない

生きるってことにもう少し
真剣になろうよ って
看板を横目で見て
走らせる自転車はまた通行の
邪魔をしている



自由詩 渋滞の中で看板を見た Copyright 朧月 2009-12-12 12:36:38
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