最良の快晴をきみの胸に思い描くということ
あぐり



健全に降り注ぐ真白な陽差しの中
(それは、きらきら きらきら)
色をすくいだそうとしているわたしの手は
とっくに諦めを知っているのです

ハレーション起こした空色みたいに
わたしのおくでひかりがはじければいいな
枯れ枝にひっかかってふるえている赤い葉の結末を
わたしは充分に知っているのです
しって、いるのです

浸透していくきらめいた音の粒たちが
(それは、きらきら きらきら)
わたしののどもとにゆっくりと息をかえしてくれる
健全に通り過ぎる真白な人影の中
泳いでいる手足のかたさだけがただしい

(知らない、ということを知っているだけで
満足してしまうわたしのこころをあざわらえばいい)

きみの好きな風に乗った
きみの好きな夢に泣いた
両手を広げてテトラポットの上
ゆっくりと歩いているのです
ミントの色した吐息がくちびるを濡らして
今日もいい天気です。
明日がどうであろうと、
今日はいい天気です。
健全な陽差しを浴びて もう眠ろうよ
冬の冷たさなんて諦めにはいれないから
もう 私と 眠ろうよ




自由詩 最良の快晴をきみの胸に思い描くということ Copyright あぐり 2009-12-12 05:50:18
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