化け物探し
彼女

私の一生は恋人に添い遂げていたので
もはやこの世の全てに私はいない
とはつまり、恋人の視点から見た私は
恋人から遠く離れた生き者であり、
恋人が死を選び目をつむり呼吸を終えたそれから、
生き物の概念をとっぱらい
恋人の中で生きて死につづける
化け物になった

君よ、あなた、好きな人、はつこいの傲慢な
私の恋人よ

知らないのだろう?
私がどれほど恋人、ただあなたを信じたか

恋人よ、恋人よ
私は関われたか
死を選ぶせつな、恋人よ
私は化け物としてあなたを楽にしたか
そもそも私を思い出したか?
私はあなたの薬か毒か、
出会った日から化け物だったか
いや、もう遠くだ…なにもかも…
恋人よ、ただひたすらあなたが遠い
あなたなしで私は生きてしまうという日々に
日々の影と光りとすみずみや線上の遥かや私の鼻先に
恋人、君の化け物を探して夢も見ない


自由詩 化け物探し Copyright 彼女 2009-12-11 14:17:50
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