心売りの少年
朧月

僕の心にハサミを入れて
切り売りしてみたんだ
全部並べてさ
いい心と悪い心と
どっちが売れるか試してみたんだ

よく晴れた朝に
車はない道路に
脇には見たことの無い
花が咲いていた

だれにもあるよな心の切れ端を
冬の空の下で売る一人の人間に
声かけるものなんて無いこの世界には
わかっていたけどとにかくやってみたかった

命に値段があるような気がしてた
だれのものより自分が重ければいいと
思う気持ちさえ秤にかけてみる
売れたときのことなんて考えないで

だって僕の心はいつだって自由に
生まれるって そう決めてたから
車が走り出した時刻になっても
僕の心は風に震えてた



自由詩 心売りの少年 Copyright 朧月 2009-12-10 20:51:15
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