水の旅
朧月

うちの洗面所の鏡には
未来なんか映せない
せいぜい疲れた顔をした
人間ぐらいしか映さない

水道の蛇口をひねったら
赤い色した血液が流れ出た
あわてて手で押さえたら
私の手の平が赤で染まった

地球が青くて丸いことを
君の顔 眺めてたら思い出した
君の広い背中にもたれて
空を見てたら思い出した

うちの洗面所の鏡に
私の顔を映してじっと見た
なにかに似てると思っていたら
私の目から水が出た

地球規模の未来を想い
自分限定の明日を想い
水道を遡って山に戻り
空から降って見回したいな

世界を空中から見回したいな


自由詩 水の旅 Copyright 朧月 2009-12-08 09:29:34
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