アイマイミー・マイマイ
海里

どうして
閉じこもれる殻を
わざわざちっちゃくしたり
手放してしまったりして

寒い夜や冷たい夜にも
ひなげしや
パンジーの葉っぱに這っている
数ミリほどのナメクジたち

そんなにまでして
思い出したかったの
渇くということ
痛みというもの

どうして
忘れたままではいられなかったの
探すということ
求めるということ

泣いてもいいのに
ナメクジ
泣くことも
思い出したかったことの一つなら

鳴いてもいいのに
ナメクジ
きうきうと
きっとちいさな声で


自由詩 アイマイミー・マイマイ Copyright 海里 2009-12-05 18:34:35
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